AI IMPLEMENTATION CASES

AIを、
仕事の仕組みに組み込む。

文章作成や検索だけではありません。情報を蓄積し、システムをつなぎ、繰り返し作業を減らす。私たちが自社で開発し、実際の業務で運用しているAI活用をご紹介します。

OUR APPROACH

「AIを業務そのものに組み込む」という活用です。

生成AIの活用というと、文章作成や情報検索、メールの下書きなどを思い浮かべる方が多いと思います。これらも十分に有効な使い方ですが、私たちが実際に取り組んでいるのは、その先にある「AIを業務そのものに組み込む」という活用です。

日々発生する情報をシステムに蓄積し、必要な情報だけをAIが参照する。繰り返し行われていた確認作業を自動化する。複数のシステムを連携させ、人が行っていた転記や検索を減らす。こうした仕組みを自社で開発し、実際の業務で運用しています。

ここでは、AIや業務システムの導入によって、仕事の流れがどのように変わったのかをご紹介します。

業務の集約
データの蓄積
AIとの接続
安全な運用
10 IMPLEMENTATIONS

実際の業務で運用している10の事例

01

複数に分散していた社内業務を、一つのシステムへ

導入前は、日報、社内連絡、資料共有、報告書、経費精算など、それぞれの業務で異なるサービスや管理方法を利用していました。一つひとつの作業は小さくても、複数のサービスを開き、必要な情報を探し、確認し、場合によっては同じ内容を再入力するという作業が日常的に発生していました。

そこで、自社の業務フローに合わせた社内専用システムを開発。日報、社内タイムライン、資料作成、報告書、経費精算、情報共有など、複数の業務を一つのプラットフォームへ集約しました。

システム間の移動や確認作業が減り、日常的な事務処理を大幅に削減。既製のシステムに業務を合わせるのではなく、実際の業務に合わせて設計し、業務フローそのものをシンプルにしています。
02

社内に分散していた情報を、会社のデータとして蓄積

業務を行っていると、チャット、表計算、資料、システム、過去の対応履歴など、さまざまな場所に情報が蓄積されていきます。情報そのものは存在していても、必要なときに見つけられないことがあります。

そこで、業務上発生する情報を専用のデータベースへ集約しました。単に保存するだけではなく、他の業務システムから利用できることを前提として設計しています。

必要な情報を探す時間が減少。特定の担当者しか把握していなかった情報も、会社のデータとして蓄積・活用できる環境へ移行しています。
03

社内データと生成AIを接続し、「AIに社内情報を確認する」環境へ

一般的な生成AIは、当然ながら社内の情報を知りません。そのため従来は、必要な情報を人が探し、内容をコピーし、生成AIへ入力してから整理させる必要がありました。

そこで、社内システムと生成AIを専用の仕組みで連携。現在は、「未処理の案件を確認する」「過去の記録を探す」「最近の状況を整理する」といった操作を、自然な言葉でAIへ依頼できるようにしています。

検索 → 情報を開く → 内容を確認する → 必要な部分を整理する、という流れの一部をAIが担当。専用の中継システムを介し、処理に必要な情報だけを限定して取得します。
04

「すべて確認する」業務から、「必要なものだけ確認する」業務へ

情報量が増えるほど、大きな負担になるのが確認作業です。従来は、未対応の案件がないかを確認するために、担当者が履歴を一件ずつ確認する必要がありました。

現在は、システム側で情報を整理し、未対応のものや確認が必要なものを自動的に抽出できるようにしています。

人が100件すべてを確認するのではなく、システムが先に整理し、人間は判断が必要なものだけを確認。作業速度だけではなく、仕事の流れそのものを変更しています。
05

生成AIと社内システムを安全につなぐための専用API

社内データとAIを連携すれば便利になります。しかし、生成AIから社内データベースへ自由にアクセスできる状態にすることは、業務システムとして適切ではありません。

そこで、AI連携専用のAPIを開発しています。生成AIが利用できる機能や取得できる情報をあらかじめ限定し、「何を見ることができるのか」「何を実行できるのか」をシステム側で制御しています。

人が情報を転記する手間を減らしながら、AIに必要以上の権限を持たせない仕組みを実現しています。
06

個人情報を生成AIへ渡さない仕組み

業務システムには、個人情報など、生成AIによる処理には必要のない情報も保存されています。私たちのシステムでは、これらの個人情報をそのまま生成AIへ送信する設計にはしていません。

AIと社内システムの間に専用の処理を設け、AIによる処理に必要な情報だけを取得する構成としています。

「社内データを生成AIに渡して処理させる」のではなく、社内システム側で必要な情報を選別し、その処理に必要な範囲だけAIを利用します。利便性と情報管理を同時に考えています。
07

AIが行った処理も記録する

業務システムでは、「誰が、いつ、何をしたのか」を確認できることが重要です。これはAIについても同じです。

そこで、AI連携によって行われた処理を専用の監査ログへ記録する仕組みを実装しています。どの機能が利用され、システム側でどの処理が行われたのかを後から確認できます。

AIの処理をブラックボックス化させず、人間の操作と同じように管理できる状態をつくっています。
08

AI特有のセキュリティリスクにも対応

生成AIには、従来のシステムとは異なるセキュリティ上の課題があります。その一つが、外部から読み込んだ文章の中にAIへの指示を埋め込む「プロンプトインジェクション」です。

そこで、外部から取得した文章やデータを、システムからの正式な命令とは明確に分離して扱う仕組みを導入しています。外部データはあくまで「参照する情報」として処理し、その中の文章をそのままAIへの業務命令として扱わない構成です。

AIを実際の業務システムへ組み込むために、便利な機能だけでなく、AI特有のリスクにも対応しています。
09

社外との情報共有をWebシステム化

社外の関係者と情報を共有する場合、従来は資料を作成し、メールなどで送付し、更新があれば再度送信するという流れが必要でした。

そこで、関係者がブラウザから利用できる専用Webシステムを開発。認証された利用者が必要な情報へ直接アクセスできる環境を構築しました。

資料を作成 → 送信 → 修正 → 再送、という流れから、「必要な人が、必要なときに、最新の情報を確認する」という業務フローへ変更しています。
10

実運用を前提とした多層的なセキュリティ

AIを活用することで、Webシステムそのものも以前より短期間で開発できるようになりました。一方で、開発速度が上がったからこそ、安全性を軽視しないことが重要です。

実際に運用しているシステムでは、用途に応じて次の対策を実装しています。

  • ログイン認証
  • アクセス権限の制御
  • パスワードの安全な管理
  • セッション保護
  • API認証
  • アクセスログ・監査ログ

AIと連携する部分についても、個人情報を生成AIへ渡さない、取得情報を必要最小限にする、実行できる操作を制限する、AIによる処理を記録する、外部データを無条件に信用しない、不正な指示への対策を行う、といった複数の対策を組み合わせています。

AIによる業務効率化と、業務システムとして求められる安全性。その両方を成立させることを前提に設計しています。
BEYOND PROMPTS

AI活用は、
「質問の仕方」だけではありません。

生成AIの活用では、プロンプトの書き方が注目されることが多くあります。もちろん、それも重要です。しかし、実際に業務の生産性を大きく変えるためには、業務そのものを見直していくことが重要です。

この作業は、人が毎回行う必要があるのか。
この確認作業は、自動化できないか。
この情報を毎回探す必要があるのか。
既存のシステムとAIを連携できないか。

AIに文章を作成してもらうだけでも、一定の時間短縮はできます。そこからさらに、業務データとAIをつなぐ。繰り返し作業をシステム化する。AIに任せる部分と、人が判断する部分を分ける。ここまで進むと、AIは単なる便利なツールではなく、仕事の仕組みそのものを変える存在になります。

AI教習所では、基本的な生成AIの使い方だけではなく、「自分の仕事のどこを変えられるのか」という視点も大切にしています。

AIを覚えることが目的ではありません。
AIを使って、自分の仕事をどう変えていくか。
そこまで考えられることが、これからのAI活用では重要だと考えています。